読み終わってない本感想文 『吾輩は猫である』
こんにちは。
最近、夏目漱石先生の『吾輩は猫である』を読んでいます。今は半分くらいです。
いわゆる名作と呼ばれる作品ですが、恥ずかしながら今まで読んだことがなく、成人してから触れました。面白いです。読みやすくてぐんぐん進みます。さすがは千円札になった人ですね。
文豪と呼ばれる人なのでもっと堅苦しい、それこそ吾輩は何々云々であるからしてほにゃらら候 のような文章がいつまでも続くのかと誤解していました。しかし本当は猫のユーモアあふれる一人称の語りや、猫のいる家の主人とその周囲に集まる個性的な人間たちによる珍妙で一種荒唐無稽な会話で構成されていて飽きることはありません。
猫の視点から見る人間というのはこんなにも不条理、奇妙でばかばかしい。
とても面白いです。
面白いのですが、もしもこの猫の視点で語られていることを人間から言われたらかなり腹が立ちます。説教臭い人だな、とムッとすることでしょう。西洋にあこがれる日本人を批判するような部分は特に批判めいたものを感じました。
この小説は滑稽な娯楽作品のように見えますが、風刺を多分に含んでいるようです。
愛のない風刺や辛辣な批判になってしまいそうなところを、猫の洒落っ気で包んで暖かいユーモアにまとめているバランスがとても気持ちがいいです。
さすが旧千円札の偉人。
残り半分も楽しみです。
さようなら。ありがとうございました。