ついてないはなし

スマホの保護シートが汚れていたので替えることにした。

いざ、と指紋が落ちないほどにベタベタとついた古いシートをはがす。
おかしい。
はがしたはずなのに、指紋が消えない。妙なこともあるもんだ、とその辺にあったティッシュで画面をぬぐう。
きれいになった画面に新しいシートを貼り付けて、その日は満足して寝た。
次の日、というのは今日なんだけども、朝起きるとスマホの画面に指紋がベタベタベタベタとついている。拭いても拭いても取れない。
困っています。どうにかしてください。

 

 

 

 

 

豆乳が好きなんですよ。それで一リットルのパックをいくつも買い置きしてます。
結構早く悪くなっちゃうんであけたら基本2、3日で飲み切ってます。好きなので笑。
いつもはそういう風に気を付けてるんですけどね、年末年始で実家に帰った時に冷蔵庫に置きっぱなしにしちゃってて。実家から帰ってきて、まずいかな、とは思ったんですけど結構残ってるし一応、飲んでみることにしました。
マグカップに、一人暮らしなんて何でもマグカップ使いますよね、え、使わない? じゃなくて。注いだんです、豆乳。
そしたら、豆乳って白いですよね、でも出てきたのが真っ赤で。うわって叫びましたよ、さすがに。悪くなってるし捨てるじゃないですか。もう、なんか投げるみたいにしてシンクに流したんです。そしたら! 髪の毛みたいな黒いのも入ってて!
気持ち悪いったらないですよ。もしイタズラだとしても鍵開けられてるわけだし。

 

 

 

 

 浪人してた頃、釣りにはまっていた時期があります。実家から防波堤が近くて、本当はいけないんですけどね、よく忍び込んで糸を垂れたものでした。
夏の夜に、イカでも釣りに行こうと思って出かけました。まだコンクリートが熱を持っていて、生温かったのを覚えています。アオリイカって知っていますか? あれ、あまり出回らないけれどおいしいんですよ。今度食べに行きましょう、いい店知っているんです。
ああ、それで、夜の防波堤で釣りをしていました。人気もないし落ちたりしたら危ないけれど、もう慣れっこだったので気にせず黒い水面に浮いているウキを眺め続けていました。
かなり、一時間ちょっとくらいかな。そうしたらウキがぐっと沈んで、アタリが来ました。これは大物だっていうんでもう大喜びでしたよ。糸を緩めたり、巻いたりして駆け引きを楽しんで、それももう終わりかなってところまで来たら、声が聞こえたんです。
「助けてくれ」「のぼっているのは俺だ」「俺が」「助けて」「私が」「俺が一番」「俺が」「極楽に」
何人もの声が、防波堤の下の海面から聞こえてきました。どうしたらいいかわからなくて、でもあと一息というところまでリールも巻いてしまっていてその場で途方に暮れてしまいました。サオの引きは強くなる一方で、どんどん重くなって持っているのも一苦労なほどになりました。怖ろしくなってきて、冷や汗が脇を伝ったのを感じた瞬間、
ぷつん
と急に手ごたえがなくなって、声も聞こえなくなりました。
あの時糸が切れていなかったら何を釣り上げたんでしょうかね、ははは。

 

 

 

 

映画の帰り、普段は利用しない電車に乗りました。
夕日が差し込んで赤い四角が流れていく車両の中でスマホを見ていたのですが、しばらくすると、
「オギャーッオギャアァーァッ」
と火のついたような赤ん坊の声が聞こえてきました。お母さんも大変だなあ、と思い気にしていないように見せようと私はスマホに表示されるタイムラインを追い続けました。
しかし一駅、二駅と通り過ぎ、窓の外が薄暗くなってきても赤ん坊は泣き止まないようです。さすがに迷惑だと、私はあたりを見回しました。
車両には私以外の乗客がいなかったのです。田舎の路線でそれ自体はおかしい事ではありません。でも、赤ん坊はどこに。私はもう一度見まわしました。すると耳元で