街場のメディア論を読んだ

こんばんは。

今日も涼しくて助かります。夜から雨が降ると聞いていたのですが、まだ降ってくる様子はありません。暑くて蒸すのは嫌ですが、涼しいなら雨が降っても問題ないです。勿論、災害みたいな雨は絶対嫌ですけどね。

『街場のメディア論』という新書を読みました。
私の理解力不足や読解力不足で納得できないところもありましたが、そういう見方もあるのかというおもしろさがありました。特に、価値というものが受け取る人間が現れて、その受け取ったものに価値を感じて初めて生まれるというのが興味深かったです。納得できます。
たまに美について考えるのですが、美というのは美しいものに宿るのではなく、美を感じる人間に依拠するのではないかと思います。これはこの本にあった価値は受け取られて感じられて初めて生まれるという考えに近いと言えるはずです。
やったね。私の足りない頭が出した仮説はイイ線行ってたかもしれない。
しかし、すべての価値が受け取られて初めて生まれるのではないとも思います。
この本の著者は著作権について上記の価値についての考え方から否定的なようでしたが、法律で決まっている価値というのは法律の価値が多くの人間によって受け取られて評価されている以上は否定できないと思います。みんながそうしているからそうだ、というのは私は嫌いですが、実際にそう考えているものが多いので現実的に考えると逆らうのは得策ではないです。これは思考の放棄と言われかねない危険な意見ですね。

ほかにも、本を買うことの意味というものも興味深かったです。
ざっくり言うと書棚というのはなりたい自分の姿らしいです。頷けます。私が本を買う時、私は私にふさわしいと思う本を選びます。買ってまで読んだ本がおもしろくなかったり、自分の意見に沿わなかった時には本棚に並べるのが嫌になってしまいます。
自分にはまだ難しい本を買うことは、その本にふさわしい人間になるという意志の表明とも言えるそうです。背表紙やその積まれた本の存在に尻を蹴飛ばされてなりたい自分になれるとしたら素敵な話ですよね。
人に自分の本棚を見せたいと思ってしまいました。