トロッコ問題と身内

こんばんは。

最近身に着けた能力があります。
起きてからやらなければならないことを夢の中で済ませる能力です。おかげで寝坊続きです。なんてこった。

功利主義の本を読みました。たしか『功利主義入門』というちくま新書だったと思います。読み始めた動機は、「功利主義って極端な答え出すからおもしれー」といった失礼な印象からです。読み終わってその誤解は解けました。功利主義は決して現実に即さない答えを出す学問ではないそうです。多くの人の幸せを実現するために少数の人の幸せのため声を上げるのが功利主義の立場だとありました。功利主義者は家族を大切にするし、人の心がない冷血主義者でもありません。
なるほど素敵な考えです。
でも、トロッコのレールを切り替えて五人を救い一人を犠牲にするのも立派な立場だと思います。その一人が自分であってもそれができるなら尚更です。情緒を通さない方がうまくいく場面というのは結構多くあります。あえて情緒を理解しないやさしさというものがあるのではないでしょうか。功利主義はそういった人の心がないお人よしを守ってくれるものかと思っていました。最近はそうではないようです。
しかし、功利主義の名にかこつけて人に意地悪するのは違いますね。功利主義的ではありません。
それに、自分が犠牲になって多くの幸福が望める状況なら犠牲になることができても、大切な人を犠牲に自分を含めた多くの幸福を実現するのは難しいという人が多いのではないでしょうか。人の区別をしないなんて言うのはどだい人間には無理な話だったのかもしれません。
なんにせよ、「トロッコが暴走している」のような極端な状況に仮になったとして、多くの幸せが期待できる合理的な行動をとれるようになりたいです。